NPO法と民法の関係

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NPO法人解散時の公告は官報に掲載する

このページは「会社法」の制定に伴った民法の改正が特定非営利活動法人の定款記載事項にも関係していた事から記したものです.平成24(2012)年4月1日に施行された新NPO法では、「公告は、官報に掲載してする」と関係条項に記され、(民法等の準用)第40条は削除されました.
このページは記録として残しているものです.
(この記事では法令の条文、年号などの漢数字をアラビア数字に直している部分がありますが、横書きで漢数字が読みにくいという単純な理由です.)

新会社法は平成18年5月1日に施行されました.会社法(平成17年7月26日法律第86号)

このページには以下の事を書きました.
  1. 民法改正の内容
  2. NPO法との関係
  3. 定款変更の勧め
  4. 定款変更届について 認証が必要な場合、不要な場合、書式など

特定非営利活動法人の定款には必ず「定款の変更、解散及び合併」に関する条項が含まれています.各所轄庁が公開している「定款のひな型」にも記されていますが、下記の例は以前内閣府が掲載していたひな型からの引用です.

(公告の方法)
第55条 この法人の公告は、この法人の掲示場に掲示するとともに、○○に掲載して行う。

という形式ですが、この○○については官報としているNPO法人もあるかと思いますが、大抵は地元の有力新聞としていることが多いと思います.

今回の民法改正は新しい「会社法」が制定された事に付随して行われました.この民法改正に伴い、NPOも公告媒体として官報が必須となりました.すなわち、定款では例えば日本経済新聞と決めてあっても、それ以外に官報にも公告することが必要になったという意味です.

民法(民法第一編第二編第三編)(明治29年4月27日法律第89号)のページを開くと(最終改正までの未施行法令)として示されていますが、「平成17年7月26日法律第87号」すなわち「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部を改正する法律」により改訂されるわけです.このページは、

第116条 民法(明治29年法律第89号)の一部を次のように改正する。
(編注・この第116条とは、「会社法の施行に伴う・・・」の条文を意味している.)

に続いて民法の改正部分が列記されており、その中に以下があります・・・

第79条の次に次の一項を加える。
4 第1項の規定による公告は、官報に掲載してする。

この民法第79条、現行法では・・・

(債権の申出の催告等)

第79条 清算人は、その就職の日から2箇月以内に、少なくとも3回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2箇月を下ることができない。

2 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは、その債権は清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。

3 清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

改正で上記第4項が追加された事により、この第1項の「少なくとも3回の公告」は官報に掲載せよということになります.

特定非営利活動促進法(平成10年3月25日法律第7号)では、

(民法等の準用)
第40条  民法第69条 、第70条、第73条から第76条まで、第77条第2項(届出に関する部分に限る。)及び第78条から第83条まで並びに非訟事件手続法 (明治31年法律第14号)第35条第2項 、第36条、第37条ノ2、第136条から第137条まで及び第138条の規定は、特定非営利活動法人の解散及び清算について準用する。この場合において、民法第77条第2項及び第83条中「主務官庁」とあるのは、「所轄庁」と読み替えるものとする。

の規程があり、この民法79条は特定非営利活動法人にも適用されます.よってNPOとして自分達の定款に公告についてどのように書いてあろうと、官報には公告せねばならないことになったわけです.

この民法の改正の施行については・・・

附則 (平成17年7月26日法律第87号) 抄
 この法律は、会社法の施行の日から施行する。

会社法施行の日は平成18(2006)年5月1日です.官報-平成18年3月29日付(号外 第69号)参照、法務省-平成18年5月1日から会社法が施行されました!

NPOに関係する我々として、自分たちの業務が定款のみならず民法や組合等登記令にも関係していることは分かっていても、いざとなると混乱します.特に、今回の民法改正に関るのは「解散」という非常事態とも言える中での法的処理のひとつですから、混乱の中で自分たちの定款に即して処理を進めていると、官報公告を忘れてしまいそうに思えます.

3月で事業年度が終わるNPOも多いと思います.通常総会においてこの際公告条項について定款を改訂して「官報に公告する」としてしまう事も必要かも知れません.定款を直してしまえば忘れる事もありません.

この民法改正に気が付いた『特定非営利活動法人が解散した場合の「公告方法」について』(平成18年3月13日付け内閣府の記事)ですが、

 なお、既存の特定非営利活動法人が、これを機会に定款記載の公告方法を官報に掲載して行う方法に変更する場合は、特定非営利活動促進法第25条第3項に規定する軽微な事項に係る定款の変更であるため、定款変更届出書を所轄庁に提出することで可能です(定款変更の認証を受ける必要はありません)。

と書かれています.

(定款の変更)
第25条  定款の変更は、定款で定めるところにより、社員総会の議決を経なければならない。
2 前項の議決は、社員総数の2分の1以上が出席し、その出席者の4分の3以上の多数をもってしなければならない。ただし、定款に特別の定めがあるときは、この限りでない。
3 定款の変更(第11条第1項第4号に掲げる事項に係るもの(所轄庁の変更を伴わないものに限る。)並びに同項第8号及び第14号に掲げる事項に係るもの(第6項において「軽微な事項に係る定款の変更」という。)を除く。)は、所轄庁の認証を受けなければ、その効力を生じない。
4  特定非営利活動法人は、前項の認証を受けようとするときは、当該定款の変更を議決した社員総会の議事録の謄本及び変更後の定款を添付した申請書を、所轄庁に提出しなければならない。この場合において、当該定款の変更が第11条第1項第3号又は第11号に掲げる事項に係る変更を含むものであるときは、当該定款の変更の日の属する事業年度及び翌事業年度の事業計画書及び収支予算書を併せて添付しなければならない。
5 第10条第2項及び第12条の規定は、第3項の認証について準用する。
6 特定非営利活動法人は、軽微な事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。
(定款)
第11条 特定非営利活動法人の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 目的
二 名称
三 その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類
四 主たる事務所及びその他の事務所の所在地--所轄庁の変更を伴わないなら「軽微な事項に係る定款の変更」
五 社員の資格の得喪に関する事項
六 役員に関する事項
七 会議に関する事項
八 資産に関する事項--「軽微な事項に係る定款の変更」
九 会計に関する事項
十 事業年度
十一 その他の事業を行う場合には、その種類その他当該その他の事業に関する事項
十二 解散に関する事項
十三 定款の変更に関する事項
十四 公告の方法--「軽微な事項に係る定款の変更」
(以下略)

「定款変更届出書」の様式などについては所轄庁のサイトで掲載されているものですが、例えば神奈川県-、定款変更の届出・定款変更の認証申請 などを参照するのが便利です.